#Stay home な春の季節がやっと少しだけ緩やかになりつつあるのにも関わらず、季節は日本人にとって一番外に出たくない時期、梅雨に突入します。
鬱陶しい多湿な時期をどう過ごすか、毎年頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
わたしたち weave 編集部がそんな鬱々とした季節のおうちごとにおすすめしたいのは、「金継ぎ」。
エポキシなどの接着剤で直してしまう簡易金継ぎも手軽で流行りつつありますが、ぜひこの季節にこそ、本漆による金継ぎをおすすめしたいのです。
ジメジメとした梅雨こそ、“うるしごと”
輪島塗に山中塗、様々な蒔絵や螺鈿の工芸品の数々…。漆による伝統工芸がたくさんあるのが weave 編集部の拠点がある石川県です。
なぜ石川は漆の伝統工芸が盛んなのかというと、そのルーツは一年を通した石川の湿度にありました。
実は漆は、漆の木の樹液に多く含まれるウルシオールという成分が湿度を伴って硬化します。
漆用語ではウルシオールが硬化することを、「乾く」というそうですが、実際は湿度がなければ乾かないなんて、なんだか変な話ですよね。
こうして“乾いた”漆が接着剤のように他の素材と素材を結びつけ、木の器に金紛で蒔絵を描くことを可能としたり、貝殻を接着したり、あるいはより黒く光り輝いたりするのです。
だからこそ、石川県でなくても、日本列島津々浦々、一年の中でも一番多湿と言えるこの時期に、漆を使って行う金継ぎをおすすめしたいのです。
金継ぎは、暮らしを整えるセラピー
weaveを運営しているEATLABで2019年に開催していたワークショップ「はじめての金継ぎ学」では、回を重ねるたびに少しずつ蘇っていく作品を観ながらそこに宿ったストーリーを生徒様がポツリポツリとしてくださったお話しがとても印象に残りました。
暮らしの中でいろんなエピソードがあって、何かのハプニングとともに割れてしまったうつわを継ぐことで、その入れものに宿ったストーリーをも継いでいく。
地味な作業でもありますが、そうやって完成させた作品はこれまでの想い出をさらに昇華させたような新しい景色を帯びていきます。
金継ぎにはそんな、セラピーとも言える癒しの効果があるのではないかと思うのです。
まだまだ、なかなか皆さんで集まって金継ぎしましょう!と言いづらい世の中ではありますが、こんな時だからこそ、身の回りに目を向けて、食卓を豊かにしてくれる欠けたうつわの金継ぎ、はじめませんか。
近々、「はじめての金継ぎ学」のオンラインワークショップを開講予定!
実は昨年に引き続きこの5月から、「はじめての金継ぎ学」のワークショップを開講予定でした。外出自粛にともない、リアルな場での開催はもう少しあとまで延期になってしまったのですが、まずは weave での「金継ぎお道具箱」の発売を記念して、自宅でできる金継ぎのオンラインワークショップを行うことになりました。時期は7月を予定。
応募はまたこちらのサイトやSNSを通じて告知しますので、ぜひフォローアップしてくださいね。皆様にお会いできること、楽しみにしております!
weave オリジナル「金継ぎお道具箱」発売
weave では、金継ぎをもっとご自宅で楽しんでほしい…!という想いから、ワークショップ開催の経験も踏まえ、漆芸家のなかおかようこさん(@yokotao_works)に監修いただいた「金継ぎお道具箱」を発売しました。ひとつひとつのお道具の使い勝手や量、そのままお道具箱としてしまっていただけるパッケージなど考えに考え抜いたセットとなっています。今後はじまるオンラインワークショップやお教室も、このお道具を使うこと前提に進んでいきますので、ぜひお手に取っていただけたら嬉しいです。
金継ぎお道具箱 | ¥13,000
これだけあればおうちで本漆による金継ぎをするためのお道具が揃う、というキットです。漆芸家のなかおかようこさん監修のもと…続きを読む