10月に入り本格的に秋が深まって来ました。朝晩は肌寒く体調崩されないよう皆さまお気をつけください。
秋が深まるにつれて空の暗くなる時間が早くなり、空を見上げれば秋の星座が姿を現し夜中には冬の星座も見られるようになってきます。
今回は秋から冬にかけて楽しめる星座と星についての言葉の紹介です。
心地よい秋の虫の音に耳を傾けながらたまには星を見上げて楽しんでみてはいかがでしょうか。
“コラム”あいの風”では能登在住で、趣味の写真を通して能登の風景などを発信している又木が、 季節ごとの能登の暮らしを地域に根付いた方言に注目して紹介していきます。 言葉はその土地に住む人々や地域社会の歴史に積み重ねられた生活文化。 僕が切り撮った能登の風景とそれにまつわる方言や暮らしの様子をお楽しみください!
10月の言葉サンコー
秋から冬に見れる星座と言えば、皆さん何を思い浮かべるでしょうか。
空に綺麗に並んだ光る3つの星を見たことがある方は多いかもしれません。これはオリオン座の中央に位置することからオリオンのベルトと呼ばれています。
能登ではこの星々を「3つの光」の意味で「サンコー」と呼びます。
よく漁に出る能登の人たちの間でも「サンコーの出にはイカが多く獲れた」と語られるほど、暮らしの中に星が関わっていたことが分かります。
暮らしの中のオリオン座
オリオン座と暮らしの関わりにはどのようなものがあるでしょうか。
調べてみると、能登では「サンコーの出によって時間を見ていた」と伝承されており、3ツ星がどこにあるのか位置を知ることで時間の目安にしたり、時の経過を計ることが行われていたことが分かります。まさに先程のイカ漁の話でも、漁の目安に利用されていました。
現在ではあまり聞かない言葉ですが、大人たちから伝承されて来たように自分も暮らしの中に取り入れることで伝え残していきたいと感じます。
実はこのサンコーのすぐ近くにオリオン座大星雲という星雲があることをご存知でしょうか。
サンコーの3ツ星のすぐ南に、3つの小さな星が南北に並んでいます。その中心あたりにオリオン座大星雲があります。
星雲や星団と聞くと「大きな望遠鏡を使わないと見えないんじゃない?!」と思われる方も多いはず。
実は小さな望遠鏡でも見ることができます。
星雲や星団は非常に淡いため近くに明るい光があると見えづらいのですが、なるべく暗い場所でしたら見ることができますよ。
10月の星のイベント、オリオン座流星群
最近ニュースなどで、オリオン座流星群が10月22日(土)に活動のピークという話を聞いたことはあるでしょうか。
実は活動のピークが過ぎても見ることはでき、大体10月10日(月)〜11月5日(土)にかけて見えるとされています。
天気がよく晴れた日には暖かい格好をして星を眺めに行ってみてはいかがでしょうか。
この時期だとオリオン座は午後11時頃に東の空から昇ります。
見つけるポイントはご紹介した3つの星サンコー(オリオンのベルト)、その左上に赤く輝くペテルギウス、右下のリゲルなどが目印です。
温かい飲み物と上着を忘れないようにしてお出かけください。
文・写真:又木実信