本格的な金継ぎを、おうちで
weaveを運営している食文化の発信スペースEATLABでは食文化の実践の場として、「おいしい学校」という食卓まわりのワークショップを様々な地元のスペシャリストをお招きして2019年からはじめています。
その中で人気だったのが食卓に並ぶうつわの繕いを本漆を使った金継ぎという技法で行う「はじめての金継ぎ学」という講座。
講師はEATLABのある南加賀エリアで漆芸修復に取り組む若手の漆芸家なかおかようこさん(@yokotao_works)にお願いして約半年強に渡り続いてきました。
2020年は一旦リアルな場でのワークショップは延期となりましたが、かねてより準備をしてきたおうちでも金継ぎに取り組んでいただけるセットをようやくご案内できることになりました。
✔︎ 教室運営の経験も生かして選び抜いたお道具たち
お道具は、監修いただいたなかおかさんと、weave 編集長でおいしい学校の「はじめての金継ぎ学」も主宰してきた瀬尾裕樹子が金継ぎ教室を開催してきた経験をもとに選び抜いた逸品たちです。
消耗品も、初心者さんがはじめやすいサイズ感、量感を考え抜きました。
こんなセットになっています。
<キット内容>
下地漆 25g
練弁柄漆 25g
磨き粉 15g
との粉 20g
地の粉 20g
ジコヘラ
毛棒
代用蒔絵筆
ナイロン筆
匙
マスキングテープ 黒
金属パレット
手袋
耐水ペーパー
金継ぎセット説明書
蝋引き道具箱
✔︎ お道具は、大人のお道具箱に入れて
実は今回の金継ぎキットを入れてお送りするために、パレットのサイズに合わせ、全てのお道具をセットできるオリジナルのお道具箱を用意しました。
作ってくれたのは、知る人ぞ知る箱産地である石川県加賀市の箱やさんイロイロコハコ(@iroiro.kohako)さん。
シンプルで無骨なデザインながらも、使い込むほどに味が出てくる蝋引きの箱で作っていただきました。
ただお道具を入れてお送りするためだけでなく、この金継ぎキットが手元に届いて使うたびにこの箱を開けたり閉めたりしながら少しずつ手に馴染んでいく、そんな大人のお道具箱としてお使いいただけたら嬉しいです。
✔︎ instagramやオンラインワークショップも開催
セットの中には、付属の説明書で簡単なステップをご紹介していますが、本キットの監修者であるなかおかようこさんとweave 編集長の瀬尾裕樹子の2人で運営するinstagramアカウント @utsuwa_dig では、投稿やライブ配信などを通じて、セットの各お道具の使い方などをお伝えしていきます。
また、noteマガジン「EATLABオンライン研究室」では本セットを使ったオンラインの金継ぎ教室を開催していく予定です(その辺りのお知らせは、weave や utsuwa_dig のSNSで行います)。
金継ぎは、暮らしを整えるセラピー
EATLABで2019年に開催していたワークショップ「はじめての金継ぎ学」では、回を重ねるたびに少しずつ蘇っていく作品を観ながらそこに宿ったストーリーを生徒様がポツリポツリとしてくださったお話しがとても印象に残りました。
暮らしの中でいろんなエピソードがあって、何かのハプニングとともに割れてしまったうつわを継ぐことで、その入れものに宿ったストーリーをも継いでいく。
地味な作業でもありますが、そうやって完成させた作品はこれまでの想い出をさらに昇華させたような新しい景色を帯びていきます。
金継ぎにはそんな、セラピーとも言える癒しの効果があるのではないかと思うのです。
まだまだ、なかなか皆さんで集まって金継ぎしましょう!と言いづらい世の中ではありますが、こんな時だからこそ、身の回りに目を向けて、食卓を豊かにしてくれる欠けたうつわの金継ぎ、はじめませんか。