日程:①2020年8月7日(金)「断面観察・下地漆」
②2020年8月21日(金)「麦漆」
③2020年8月28日(金)「錆付け」
④2020年9月4日(金)「錆研ぎ・捨中漆」
⑤2020年9月11日(金)「研ぎ・弁柄漆・金蒔き」
⑥2020年9月18日(金)「固め」
⑦2020年9月25日(金)「金研ぎ」
※上記7回で完結する講座です。全てに参加できなくても講座の様子はアーカイブ動画での視聴が可能です。
時間:各回21:00〜22:30p.m.
※講座は1時間〜1時間半を予定しております
参加方法:このページの講座参加チケットをご購入いただき、運営事務局からのご案内をお待ちください。チケットご購入者へのみ、専用Zoomへのご案内をお送り致します。
ご用意いただくもの:金継ぎ道具(weaveで販売している金継ぎお道具箱の内容に相当するもの)/金粉または銀粉/WEBアプリZoomを視聴できるディバイス(PC・スマフォ・タブレットなど)
※金継ぎ道具はweaveでも販売していますが他で購入されたものでもご参加可能です。その他、各回で必要な軽微な道具はお申し込みいただいた方にご案内します。
定員:先着メンバー8名(陶パーツ ブルー付き)
お申し込みの状況をみて募集人数増席も検討中
お申し込み期間:2020年7月17日(金)〜2020年7月31日(金)23:59まで
参加特典:
①オリジナルテキスト(ダウンロード)
②オリジナル金継ぎノート(ダウンロード)
③陶パーツ“箸置き”weave別注カラー(1セット)(先着8名様限定)
④各回講座アーカイブの閲覧権
⑤講座終了後、毎月1回を目安に開催する金継ぎ研究室オンラインへの参加権(過去に本講座を受講いただいた方のみ有料でご参加いただける緩やかな部活的な活動ですが、オンライン上で講師へのご質問などもいただけます)
『はじめての金継ぎ学』のはじまり
「とりあえず、金継ぎってどんなものなのか、やってみない?」
weaveをはじめるよりもずっと前に、金継ぎのワークショップを主宰しようと講師のなかおかさんに相談したところ、こう言って提案してくれたことをきっかけに、わたしたちはどっぷりと金継ぎの世界に触れることになりました。
✔︎ 金継ぎとはいうものの、“金で継ぐ”のではなく、漆で継いでその上に飾りとして金や銀を蒔くらしい
✔︎ 漆は、乾くのに湿度を伴って時間がかかるから、どうやら時間がかかる技らしい。
✔︎ パーツがないときは、別のもので自作したりもするらしい。
金は蒔いても磨かないとピカっとは光らないらしい(むしろ始めから光るのは金ではなくて真鍮とか代用金と呼ばれるものらしい)。
下準備にというにはもったいないくらい、時間をかけてじっくりと教えていただいたことで、金継ぎの全貌が見えてきた。
そうやって、weaveが創刊される前、わたしたちは自分たちのオフィスでありコワーキングスペースのEATLABを使って、“おいしい学校”という食卓まわりのワークショップを集めた企画の一環として「はじめての金継ぎ学」という金継ぎのワークショップをはじめたのです。
募集人数は7名と少数。
伝統工芸との物理距離がとても近い、石川だからこそ極力本格的に、漆の世界を知っていただきたいというなかおかさんの想いも大切にしたくて、樹脂系の接着剤などを用いた簡易金継ぎではなく、全ての工程を本漆による本金継ぎで行いました。
そんな風にしてはじまった金継ぎワークショップでしたが、今年は5月から第二期を満員御礼で開催の予定がこの状況下で断念…。
なんとかして開催できないものかと模索した結果、やっとやっと、オンラインでの開催の準備が整いました!
オンラインの可能性が広がった今年。 割れや欠けの状況がみなさまそれぞれに異なるうつわをお持ちの方が多く、金継ぎをどこまでオンラインでお伝えできるものやら不安や迷いもたくさんありましたが、オンラインだからこその工夫を重ね、この状況をうまく生かしながら運営できたらと考えています。そんな、「はじめての金継ぎ学オンライン」の特徴をまとめましたのでご興味のある方にお読みいただけたら嬉しいです。
講師は 漆芸家 なかおかようこ さん
今回のオンライン講座も、昨年度、わたしたちの金継ぎのワークショップで講師をしていただいた漆芸家のなかおかようこさんにお願いしています。昨年、講座をご一緒いただく中で、加賀の蒔絵工房での修行後、世界的な漆芸家更谷富造先生に師事したなかおかさんだからこその経験豊富で丁寧なご指導は、伝統工芸との距離感が非常に近い石川に住まう魅力でもあると思ったものでした。
それが、今回、オンラインで、全国に届けられること、主宰者として非常に嬉しく思っています。
オリジナルのお道具箱とテキストでよりわかりやすく
今回お申し込みの方には、オンライン講座に加え、昨年度、金継ぎのワークショップを行う中でブラッシュアップしたテキストをダウンロードによりご利用いただけます。オンライン配信の復習や自分のメモをとる場合にお使いいただければと思います。
また、リアルなワークショップの中でも非常に要望の多かった金継ぎに必要なお道具を厳選してセットした「金継ぎお道具箱」もご用意しました。 本講座の講師であるなかおかようこ先生に監修していただいたので、オンライン講座の内容をサポートするものになっています。
箱は知る人ぞ知る箱産地の加賀市より繰り返し使えるオーダーメードの箱を手がけていらっしゃるイロイロコハコさん(@iroiro.kohako)さんに使い込むほどに味がでる蝋引きのお箱を作っていただきました。
もちろん、ご自身ですでにお道具をお持ちの方はそちらをお使いいただけたらと思いますが、ない方はこれを機に、weaveのオリジナルライン「Eat,Work,Get inspired!」よりご購入いただければと思います。
進捗のバラつきを小さく。金継ぎして完成する箸置き
リアルで開催していたワークショップでもカリキュラムを設定していたのですが、そもそもお持ちいただくうつわの割れや欠け、素材自体もみなさん異なるものなので、どうしても途中から進捗にバラつきが出てしまいがちでした。
オンラインのワークショップでは、ひとりひとり対応できる少人数制のリアルなワークショップと異なり、質問はできるものの実物を先生に見ていただきながら指導を仰ぐことができません。そんな状況でも、少しでもわかりやすくお伝えするために、最初は先生と同じもので練習できるようにするための、金継ぎをして完成する箸置き「陶パーツ」を素材として講座に用いることにしました。
もちろん、ご自分の欠けたり割れたりしたうつわを直していただくのもok。画面を通してですが細かなところは丁寧にご質問にもお答えします。陶パーツもひとつの素材として用いることでそれぞれが異なる素材を直すことによる感覚の違いを、少しでも軽減できたらと思います。
「陶パーツの」制作はweave編集部の本拠地でもある石川県の南加賀エリアを拠点に活動する九谷焼作家「寧窯」(@kazumi_neiyou)さん。
九谷焼の特徴でもある五彩と呼ばれる5つの絵の具のうち、紺青の泡を使ってこの地域に厚く広がる雲の濃淡を表現したブルーと、九谷のもうひとつの特徴でもある陶石そのものの素材の色がよくわかるオフホワイトの定番カラーのうち、今回の講座では初回限定盤として先着順でお申込みいただいた8名の方に、ブルーの陶パーツを特典としてお送りすることになりました!
今後、weave上でのお取り扱いをしていく予定ですが、ブルーは入荷が未定(オフホワイトは明日より販売予定です)のため、この講座にお申込みいただいた初回メンバー8名の方に先行してお送りいたします。
オンラインならでは。なんども見直しながら進められるアーカイブ
昨年度、一年間金継ぎのワークショップを主宰してみて、一番の学び。
それは、“金継ぎはひと通り習えばすぐにできるようになるような代物ではない”ということでした(主宰がこれをいうのもどうかという話なのですが。笑)。だからこそ、せっかく習っていただいた方には、繰り返し復習できるアーカイブをきちんと残したい、と常々おもっていたのです。
今回は、オンライン講座ならでは、ということで対面でひとつひとつ手にとって見ていただけない代わりに、オンライン配信の様子を録画したものもきちんとアーカイブで残ります。 遠方だっりして通学できない方、お子さんがいていつも決まった時間に習い事の時間を確保できない方、夜も不定期でお仕事が入ってしまう方、そんなそれぞれのご事情に寄り添えることこそが、オンライン配信の醍醐味ではないでしょうか。
ぜひこの機会に、これまでEATLABでのリアルなワークショップにご参加いただけなかったより多くの方に金継ぎに親しんでいただくきっかけになれば幸いです。